このページは、企業ページの「決算ハイライト」「主要指標カード」「投資指標・キャッシュフロー」に表示する指標について、それぞれが何を表す数値か、計算式、表示しない条件をまとめたものです。全ての比率は官報の決算公告・有価証券報告書・決算短信に印字された数値からの機械計算で、開示ワイヤーが数値を推定したり評価を加えたりすることはありません。
共通のルール
- 分母のフロア: 開示ワイヤーが計算する比率は、分母が1,000万円未満のとき表示しません。極小の分母では比率が数千%級になり、数値としての意味を持たないためです。自己資本比率は分母(総資産)が小さくても値が発散しないためフロアを設けていません。有価証券報告書の記載値はそのまま表示します。
- 計算に使う期: 収録している中で最も新しい期の値で計算します。連結の財務があれば連結、なければ単体を使います。企業ページで連結・単体のタブを切り替えたとき追随するのは決算ハイライトの帯だけで、主要指標カードと投資指標・キャッシュフローは連結があれば連結の値で固定です。
- 有価証券報告書の記載値を優先: 自己資本比率とROEは、有価証券報告書に記載された値があればそれを表示し「有報記載値」(単体の財務しかない会社は「有報記載値(単体)」)と付記します。記載値がない企業(官報の決算公告のみの企業など)だけ、貸借対照表の値から計算します。ROAは有価証券報告書に記載タグがないため常に計算値です。
- 算出値を含む比率: 公告に小計行が印字されず内訳から算出した純資産などを含む比率も、表と同じ扱いで計算します。該当する表には算出値である旨の脚注が付きます。
- 前期比: 直前の期が収録されていて、期末の間隔が15か月以内のときだけ「前期比」と呼びます。期間が離れている場合は「FY2024比」のように比較対象の期を明示し、増収・減収の事実タグも付けません。増減は率で示し(差額は出しません)、前期がマイナスの期は率の代わりに「赤字転落」「黒字転換」「赤字拡大」「赤字縮小」「横ばい」の語で示します。前期がゼロの期は前期比を出しません。
- 法人種別による非表示: 特定目的会社・投資法人・公益法人・一般社団法人および一般財団法人・NPO法人は、純資産の実体が優先出資や正味財産で事業会社の物差しに乗らないため、利益率・利益剰余金比率・ROE・ROAを表示せず、自己資本比率だけを計算式の注記付きで表示します。医療法人は売上高を名前に含む利益率と経常利益/営業利益の倍率だけを表示しません。
- 注意開示のある企業: 継続企業の前提に関する注記など、TDnetで注意を要する開示を行った企業では、AIによる「決算の要点」を生成しません。比率の表示は変わりません。
決算ハイライト
財務推移の表の上に出る帯です。決算公告のみの企業を含む全ての公開企業が対象で、印字値の比率と、印字値の大小関係だけから決まる事実タグを並べます。
| 表示 | 計算式 | 表示する条件 |
|---|---|---|
| 経常利益/営業利益 | 経常利益 ÷ 営業利益(倍) | 経常利益と営業利益がともにプラスで、営業利益が1,000万円以上 |
| 営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上高 | 売上高が1,000万円以上 |
| 純利益率 | 当期純利益 ÷ 売上高 | 売上高が1,000万円以上 |
| 利益剰余金/純資産 | 利益剰余金 ÷ 純資産 | 純資産が1,000万円以上 |
| 前期比(売上高・経常損益・純損益) | 前期からの増減率(前期がマイナスの期は「赤字転落」などの語) | 両方の期に値があり、前期がゼロでないとき |
- 経常利益/営業利益は、営業外の損益が本業の利益に対してどれだけの大きさかを示す倍率です。営業損失や経常損失の期は符号ごと意味を失うため計算しません。
- 営業利益率は売上高のうち本業の利益として残った割合、純利益率は売上高のうち税金や特別損益まで差し引いた最終利益として残った割合です。
- 利益剰余金/純資産は、純資産のうち過去の利益の蓄積(利益剰余金)が占める割合です。残りは主に株主が払い込んだ資本金・資本剰余金です。
- 事実タグは「債務超過」(純資産合計がマイナス)、「増収」「減収」(前期比と同じ15か月以内の前期があり、その売上高が1,000万円以上で当期と異なる)の3種類で、同時に付くのは債務超過と増収または減収の最大2件です。
- 帯の科目名は法人種別で変わります(営業収益・経常収益・正味財産増減額など)。IFRSまたは米国基準を採用する期は経常利益の代わりに税引前利益を使い、倍率の名前も「税引前利益/営業利益」になります。
主要指標カード
企業ページ上部のカード列に出る自己資本比率・ROE・ROAです(カード列には従業員数・資本金・売上高などの記載値も並びますが、比率はこの3つです)。たとえば総資産100億円・純資産40億円・当期純利益5億円の企業では、自己資本比率40%・ROE 12.5%・ROA 5%になります。
| 指標 | 計算式 | 表示する条件 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 純資産 ÷ 総資産 | 有報記載値があればそれを優先。事業会社では20%未満を朱色で表示 |
| ROE | 当期純利益 ÷ 純資産(期末) | 有報記載値があればそれを優先。計算する場合は純資産が1,000万円以上 |
| ROA | 当期純利益 ÷ 総資産(期末) | 総資産が1,000万円以上 |
- 自己資本比率は、総資産のうち負債ではなく純資産(株主が払い込んだ資本と過去の利益の蓄積など、返済義務のない部分)で賄われている割合です。残りの部分は借入金や買掛金などの負債で賄われています。
- ROE(自己資本利益率)は、純資産1円あたりに当期純利益をいくら生んだかを示す比率で、株主の持ち分に対する利益の大きさです。
- ROA(総資産利益率)は、総資産1円あたりに当期純利益をいくら生んだかを示す比率で、負債で調達した分も含めた資産全体に対する利益の大きさです。同じ利益ならROEとROAの差は負債の割合(財務レバレッジ)の分だけ開きます。
- ROEとROAの分母は期末の残高で、期首と期末の平均は使いません。有価証券報告書の記載値(自己資本ベース)と計算値(純資産ベース)は定義が異なるため、カードと指標テーブルでは記載値を優先し、純資産ベースで計算するROEの分解と同業比較には「純資産ベース」と付記しています。
- 純資産がマイナス(債務超過)の期はROEを計算しません。分母が負の比率は解釈できないためです。有価証券報告書に記載がある期はその値をそのまま表示します。
- 法人種別により非表示になる条件は「共通のルール」のとおりです。特定目的会社と投資法人の自己資本比率は「優先出資を含む純資産 ÷ 総資産」「投資主資本を含む純資産 ÷ 総資産」、公益法人・一般法人・NPO法人は「正味財産 ÷ 総資産」を注記します。
投資指標・キャッシュフロー
有価証券報告書を提出している上場企業の企業ページに出るセクションです。非上場の有価証券報告書提出会社では、1株当たりの指標が上場企業と比較できないため、見出しを「キャッシュフロー」としてキャッシュフロー・有利子負債・自己資本比率・研究開発費・設備投資額だけを表示します(1株当たりの指標・収益性・従業員の行と同業比較は表示しません)。値は有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」および財務諸表から取得しています。
| 指標 | 計算式または出所 |
|---|---|
| 営業CF・投資CF・財務CF | 有価証券報告書の記載値 |
| フリーCF | 営業CF + 投資CF(簡易算出) |
| 現金及び現金同等物 | 有価証券報告書の記載値(期末残高) |
| 有利子負債 | 貸借対照表の借入金・社債・リース債務などの科目の合算値。IFRS・米国基準採用期は取得できない場合があります |
| EPS・BPS・年間配当 | 有価証券報告書の記載値(1株当たり当期純利益・1株当たり純資産・1株当たり配当額) |
| 配当性向 | 有価証券報告書に記載値がある会社はその値。記載のない会社は年間配当 ÷ EPS |
| ROE | 有価証券報告書の記載値(自己資本ベース)。記載のない期(赤字期は提出会社の約半数が「-」と記載します)は当期純利益 ÷ 純資産(期末)の算出値で補い、「算出」と表示します |
| 自己資本比率 | 有価証券報告書の記載値 |
| ROA | 当期純利益 ÷ 総資産(期末)。有価証券報告書に記載値が無いため算出値で、総資産が1,000万円以上の期だけ表示します |
| ROIC(近似) | NOPAT ÷ 投下資本。NOPAT = 営業利益 × (1 − 30%)、投下資本 = 純資産 + 有利子負債。売上高と投下資本がともに1,000万円以上の期だけ表示します |
| PER(期末) | 有価証券報告書の記載値(株価収益率 = 期末株価 ÷ EPS)。赤字の期は記載されません |
| 従業員数・平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数 | 有価証券報告書「従業員の状況」の記載値。給与・年齢・勤続年数は提出会社(単体)の値で、連結の従業員数を表示している会社では「従業員数(単体)」の行も並べます |
| 一人当たり売上 | 売上高 ÷ 従業員数。従業員数が10人未満の期は表示しません |
- フリーCFは本業で得た現金(営業CF)から設備などへの投資に使った現金(投資CF、通常はマイナス)を差し引いた残りで、返済・配当・内部留保に回せる現金の額です。
- 有利子負債は利息の支払いを伴う負債の合計、EPS・BPSは1株あたりの当期純利益・純資産、配当性向は当期純利益のうち配当に回した割合、PERは株価が1株あたり利益の何倍かを示す倍率です。
- ROIC(投下資本利益率)は、株主(純資産)と債権者(有利子負債)から調達した資本に対して、税引後の営業利益(NOPAT)をいくら生んだかを示す比率です。30%は実効税率の仮定で、法人税等と税引前利益の列を収録していないため企業ごとの実効税率は計算できず、一律の仮定を置いた近似値として「(近似)」を付けています。有利子負債が取得できない期はROICを計算しません。
- ROEの分解(デュポン分解)は ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ(当期純利益 ÷ 売上高 × 売上高 ÷ 総資産 × 総資産 ÷ 純資産)の3因数です(例: 純利益率5% × 総資産回転率1.00回 × 財務レバレッジ2.50倍 = ROE 12.5%)。売上高・総資産・純資産がすべて1,000万円以上の期だけ表示します。純資産ベースの計算のため、式の答えは「ROE(純資産ベース)」と表示します。有報記載のROE(自己資本ベース)とは差が出ることがあり、非支配株主持分の大きい会社では数ポイント開きます。
- ROICの分解は ROIC = NOPAT率 × 投下資本回転率(NOPAT ÷ 売上高 × 売上高 ÷ 投下資本)の2因数です(例: NOPAT率7% × 投下資本回転率2.00回 = ROIC 14%)。
- 金融業(銀行業・保険業・証券、商品先物取引業・その他金融業)の企業では、預金・貸出・保険契約などの増減が営業CFに入り、CFの符号が事業会社と同じ意味を持たないため、キャッシュフローのフェーズ・キャッシュフローの位置・フリーCF・ROIC(とその分解)を表示しません。CFの記載値は表示します。
- 1年未満の期(決算期の変更など)は、表の列見出しとフェーズの期に「6か月」のように期間の長さを添えます(1か月に満たない期は「8日間」のように日数)。12か月の期とは期間の長さが違うため、並べて増減を読むときは注意が必要です。
- 同業比較は営業利益率・ROE・自己資本比率の3行で、当社値と同じ業種(JPX33業種)の上場企業の中央値、業種内順位を並べます。業種内の上場企業が10社未満のときは同業比較を表示しません。
- 業種内順位は、同じ計算式で値を求められた上場企業の中での降順の順位です(同値は同順位)。母集団は業種ごとに異なり、値を求められなかった企業は含みません。
- 同業比較のROEは、当社値・業種中央値・順位のいずれも当期純利益 ÷ 純資産(期末)の同じ式で計算した純資産ベースの値です。指標テーブルの有報記載値(自己資本ベース)とは基準が異なるため、行に「純資産ベース」と付記しています。記載値を母集団に使わないのは、赤字期の記載が提出会社によって「-」と負の値に割れ、母集団が黒字側に偏るためです。
キャッシュフローのフェーズ
営業CF・投資CF・財務CFの符号の組み合わせ(プラス・マイナス)で各期を8通りに機械分類したものです。符号以外の情報は使っていません。3つのCFのいずれかが欠けている期やちょうどゼロの期は分類しません。金融業の企業には表示しません。
| 営業CF | 投資CF | 財務CF | 表示名 | 意味 |
|---|---|---|---|---|
| + | − | − | 成熟・還元期 | 本業の稼ぎを投資と返済・還元に充てている |
| + | − | + | 成長投資期 | 本業の稼ぎに加えて調達資金を投資に充てている |
| + | + | − | 資産整理・返済期 | 本業の稼ぎと資産売却で返済・還元を進めている |
| + | + | + | 手元資金積み上げ期 | 本業・資産売却・調達のすべてで現金が増えている |
| − | − | + | 先行投資期 | 調達資金で投資を進めている(本業のCFはマイナス) |
| − | − | − | 現金取り崩し期 | 手元資金で本業の不足・投資・返済を賄っている |
| − | + | + | 再建期 | 資産売却と調達で本業のマイナスを補っている |
| − | + | − | 事業縮小期 | 資産売却で本業のマイナスと返済を賄っている |
キャッシュフローの位置
横軸に営業CF、縦軸に投資CFをとり、直近5期の点を線で結んだ図です。円の大きさは現金及び現金同等物、直近期は朱色で示します。営業CFと投資CFがそろっている期だけを点にし、点が2期に満たないときは図を出しません。両軸を同じ目盛りにしているため、フリーCF(営業CF + 投資CF)がゼロになる境界は左上から右下への対角線と一致し、対角線より右上がフリーCFプラスの範囲です。四隅の「稼いで投資している」などのラベルは、その象限で営業CFと投資CFの符号が何を意味するかを説明する固定の文言です。
現金の流れ
前期末の現金及び現金同等物の残高(期首)から、営業CF・投資CF・財務CFを順に足し引きして期末残高に至る図です。期末残高から期首残高と3つのCFを差し引いた残り(現金及び現金同等物に係る換算差額、連結範囲の変動など)は「その他」として分けて示し、期首・期末残高の大きい方の1%未満のときは省きます。前期のデータが無い期は期首を期末残高とCFから逆算し、「期首(逆算)」と表示します(換算差額などを含みます)。
このページの位置づけ
上記の比率は公開情報の整理を目的とし、投資勧誘・投資助言を目的とするものではありません。指標の解釈や投資判断はご自身の責任で行ってください。計算式や表示条件を変更したときはこのページを更新します。